学長日記
~CLAのほっこりエピソードや日々の何気ない子どもたちの様子をお伝えします。※カンボジアで発行している月刊誌「プノン」でも連載をしております。
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第1回「せんべい」と先生の涙
私が学長を務めるCLA(CIESF Leaders Academy)ではこの9月から小学1年生クラスがスタートしました。そこには日本から岩堀美雪先生が赴任され日々ご尽力いただいております。
日本語の授業も進んできたある日、「せ」で始まる言葉を教えていました。せみ、せなか、せんせい、せんべい・・・・・。すると「せんべいって何ですか?」の質問が出てきて、美雪先生は今度せんべいを買ってきてみせてあげると約束しました。そして週末にイオンに行き、亀田のおせんべいを購入し、翌月曜日に子どもたちに1袋(2枚入り)ずつ配ったのです。
大喜びで袋を開けて、口に頬張る子どもたち。うぁ美味しい!美味しい!と大喜びです。その時、ひとりの子どもが大きな声でこういいました。「美雪先生、せんべい1枚を家に持って帰って良いですか?」すると続いて他の子どもたちも次々に持って帰りたい、と言い出したのです。
美雪先生は’何枚でもその場で食べたそうなのに、なぜなんだろう’と不思議に思って「持って帰ってどうするの?」と聞きました。すると口々に「妹に食べさせたい」「お母さんに食べさせたい」「弟に」「お父さんに」と答えが返ってきたのです。
それを聞いて胸がいっぱいになった美雪先生。何も言えなくなって涙を溜めているその姿をみて、今度は子どもたちがなぜなのかわからず不思議そうにその姿を見つめていたのでした。
学校長
土居清美
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